事務職は、資格がなくても応募できる求人が多い仕事です。そのうえで、資格は「これができます」と伝える材料になります。この考え方は、運営会社の見方です。
このページでは、事務の仕事でよく名前が挙がる資格のうち、日商簿記とMOSを公式の情報で確かめて整理します。受講料の一部が戻る国の制度、教育訓練給付制度もあわせて取り上げます。資格を取れば採用されるとも、給料が上がるとも言えません。そこは先に書いておきます。
目指す事務と、先に見る資格の例
事務職に資格は要る?
資格がなくても応募できる事務の求人はあります。求人票の応募資格の欄を見て、確かめてみてください。
資格は、経験が少ない人にとって「この作業はできます」と示す材料になります。面接で話すときの手がかりにもなります。ここまでは運営会社の見方です。
一方で、資格だけで結果が決まるわけではありません。取る前に、応募したい求人がどんな作業を求めているかを見ておくと、遠回りを減らせます。
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まず名前が挙がるのは2つ
事務の仕事でまず名前が挙がりやすいのは、日商簿記とMOSです(運営会社の見方です)。
日商簿記:お金の記録を学ぶ
日本商工会議所の公式ページには、級ごとの目安が載っています。
| 級 | 公式ページでの説明 |
|---|---|
| 3級 | 業種を問わずビジネスパーソンに必須の基本知識として紹介。小企業の簿記を扱う |
| 2級 | 企業が取得を望む資格のひとつとして紹介。高度な商業簿記・工業簿記を扱う |
| 1級 | 極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を扱う |
出典は日本商工会議所「簿記」です。ほかに簿記初級と原価計算初級もあります。
試験の方式は、2級・3級・簿記初級・原価計算初級でネット試験があります。ネット試験の案内ページでは、会場によって随時実施のところと、定期的に実施のところがあると説明されています。申込方法が違うだけで、試験内容は同じです(ネット試験について)。
受験料(税込)は、2024年度からの表で3級が3,300円、2級が5,500円、簿記初級が2,200円です(受験料に関するお知らせ)。ネット試験では、別に事務手数料がかかります。金額は施行機関によって異なります。受験の前に、申し込む会場の案内を確認してください。
経理や営業事務など、数字や伝票を扱う事務を考えている人にとって、取り組む価値のある資格です(運営会社の見方です)。
MOS:パソコンの操作スキルを示す
MOSはマイクロソフト オフィス スペシャリストの略です。公式サイトでは、Word、エクセル、パワーポイントなどの利用スキルを証明する資格と紹介されています(MOS公式サイト)。
試験は、実際にパソコンを操作する実技形式です(MOSとは)。受験方法は2つあります。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 全国一斉試験 | 決まった日に全国で実施する |
| 随時試験 | 毎日実施(会場により異なる) |
公式サイトによると、2つの違いは申込方法だけです。受験料、試験内容、合格証は同じです。受験料は、Word一般レベルが12,980円(税込、一般価格)です(MOS公式サイト「受験料」)。ほかの科目は公式ページで確かめてください。
パソコンの基本操作を身につける段階の話は、姉妹サイトのじむデビュー「パソコンが苦手でも、事務デビューできる?」でまとめています。
どれから取る? 目安の表
どの資格から始めるかは、行きたい事務の種類で変わります。次の表は運営会社の見方です。決まりではありません。
| 目指す方向 | 先に見る資格の例 |
|---|---|
| 経理・会計まわりの事務 | 日商簿記3級 |
| 数字の集計や書類作成が多い事務 | MOS(エクセル、Word) |
| まだ方向が決まらない | 先に求人票を見て、よく出る作業を確かめる |
迷ったときは、資格より先に求人票を10件ほど読んでください。「必須」と書かれた条件と、「歓迎」と書かれた条件を分けると、自分に足りないものが見えてきます。
受講料の一部が戻る「教育訓練給付制度」
資格の勉強のために講座を受けるなら、国の教育訓練給付制度が使えるかもしれません。厚生労働省のページには、次のように書かれています(厚生労働省「教育訓練給付制度」)。
- 一般教育訓練では、教育訓練経費の20%(上限10万円)が、訓練を修了したあとに支給されます
- 対象は、厚生労働大臣が指定した教育訓練を修了した場合です
- 指定された講座は、教育訓練講座検索システムで検索できます
- 一定の受給要件を満たす人が対象です。要件については、住まいを管轄するハローワークに問い合わせるよう案内されています
ここで気をつけたいのは、次の3点です。
- 支給されるのは、講座を修了したあとです。先に費用を払う必要があります
- 資格の名前が同じでも、受ける講座が指定されていなければ対象になりません。申し込む前に、その講座が対象かどうかを確かめてください
- 受給要件は人によって変わります。自分が当てはまるかは、受講前にハローワークで聞くのが安全です
なお、この制度は一般教育訓練についての説明です。ほかの種類の教育訓練については、上のページや窓口で確認してください。
国の職業訓練であるハロートレーニングは、未経験から事務職になるまでの進め方で説明しています。
次にやること
- 求人票を10件ほど読んで、「必須」と「歓迎」の資格や作業を書き出す
- 経理系を考えるなら日商簿記、集計や書類作成なら MOS の公式ページを開いて、受験料と申込方法を確かめる
- 講座を使うなら、その講座が教育訓練給付制度の対象か、教育訓練講座検索システムで調べる
- 受講の前に、住まいを管轄するハローワークで、自分が給付の要件に当てはまるかを聞く
- 迷ったら、このページの下にあるLINEから、運営会社に相談する
事実確認
確かめた日は2026年10月24日です。出典のページを開いて、次の事実を確かめました。
- 日商簿記の各級の説明、ネット試験があること:日本商工会議所「簿記」のページ
- ネット試験が随時または定期で実施されること、申込方法が違うだけで試験内容は同じこと、事務手数料が施行機関により異なること:「ネット試験について」のページ
- 受験料(3級3,300円・2級5,500円・簿記初級2,200円、税込):「受験料に関するお知らせ」のページ。金額は改定されることがあります
- MOSの説明、受験方法の2種類、2つの違いは申込方法のみであること、Word一般レベルの受験料:MOS公式サイトのトップと受験料のページ。実技形式であること:「MOSとは」のページ
- 教育訓練給付制度の割合と上限、厚生労働大臣の指定、講座検索システム、受給要件はハローワークへの問い合わせ:厚生労働省のページ
運営会社の考えは、冒頭の資格の位置づけ、「まず名前が挙がるのは2つ」の選び方、「どれから取る?」の表、経理や営業事務についての見方、「次にやること」の手順です。
